《子供を産む人生・産まない人生~それぞれの選択~》

「FRaU」(講談社)3月号に掲載された女優の山口智子さんのインタビューが今とても話題になっていますね。

現在51歳の彼女は俳優であるご主人の唐沢寿明さん(52歳)としっかり話し合った上で

「子供を産まない人生を選んだ」そうです。

私は特殊な育ち方をしているので、血の結びつきを全く信用していない。私はずっと、『親』というものになりたくないと思って育ちました。私は、『子供のいる人生』とは違う人生を歩みたいなと。
(FRaU3月号より)

山口さんのインタビュー記事に対して評論家だけではなくSNS上でも様々な論議が飛び交っています。
今回は「子供を産む・産まないという”選択をする”ということ」を考えてみます。

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《なぜここまで社会的関心が高まっているのか?》

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現在一般の人達がSNS上で論議しているだけではなく、様々なメディアがこの問題について取り上げています。

いくら有名女優さんといえども1人の女性が「私は産まないと決めたから産まなかったんです」と発言しただけでなぜこれほどまでに話題になるのか。

その根源には、日本では未だに「女性として生まれたからには子供を産んで当たり前」という考え方が根強く、その考えに抑圧されている女性がいるからではないか、という見解があります。

男性だけではなく女性の中にも同じ考え方の人は多く「子供を産まない女性」に対して男性よりも露骨に嫌悪感を示す場合が多いようです。

「せっかく女に生まれたのに子供を産まないなんて勿体無い!」
という根拠の無い理由から
「社会的責任を果たしていない」
社会保障のために子孫が必要だと言う理論を掲げる人
「子育てするようになると自分の好きなことができなくなるから産まないんだろう、ワガママだ!」
勝手な決め付けをする人まで、その主張は千差万別です。

《「女は子供を産んで当然」という考え方は古い?》

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確かに現代日本の少子高齢化は深刻な状況にあります。
しかし、老齢年金受給額の減少や将来的に少子化社会になるということは何年も前から言われてきたこと。
その間政府は対策として具体的な何かをしてきていたでしょうか?

「年金は積立式にすべき」と長年言われてきているにも関わらず
「徴収した分を今の受給者に支払う」という形式変わっておらず、支給額も減り「年金だけでは生活できない高齢者」が増加。
結果的に生活保護も受けなければ生活できず、地方自治体の負担が増えているというのが実情です。

それなのに未だに「出産・育児至上主義」を礼賛し、その補助は殆ど行われていない環境で安心して結婚・出産・子育てを出来るだけの余裕のある生活を送っている人は今どの程度いるのでしょうか?

介護保険の導入からは月日が経ちましたが、身内に介護者がいなかったり1人での介護はムリというケースでも「認定要項に当てはまらないから」という理由で認定ランクを下げられている現状。
出産後に職場復帰した女性に対するマタハラや保育園に入れることが出来ず働きに出ることの出来ない再就職の困難さ。
それらを全て鑑みた上で「それでも産め」とは他人が言うことではないでしょう。

もしそういうことを言われたのなら「じゃあ私達の生活が苦しくなったらあなたが面倒見てくれるんですか?」と言い返せばいいのです。

生活環境は人それぞれ異なります。
自分の物差しでしか他人も測れない人の言うことを聞く必要はありません。
万一の時にその人が責任をとってくれるわけではないのですから。

《”選択できる”という事がまず幸せ》

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一般人の方の中にも「敢えて子供を持たない人生を選択して結婚した夫婦」はかなりいます。

そういった方々は
「後で寂しいよー」「年取ったら誰に面倒見てもらうの?」「子供いないと最後は離婚になるよ?」
周囲に言われ続けているうちに不安になってきてしまうようです。

アラフォーの声が聞こえてくるとその不安が募るケースが多く
「今ならまだ産めるかもしれない、どうしよう」
と迷い悩み、女性用掲示板に先輩たちの助言や体験談を求める書き込みはほぼアラフォー世代です。

「産みたくても産めない人もいるんだから!」と的外れなレスを付ける人は激減しており
「今私たちはアラフィフで子供のいない生活を選んだけれど幸せです」
「寂しくはないですが遺産相続のことを考えると少し心配です」
と言った具体的な内容を書く方々が増えてきているということは
「産まない選択をするということが実は浸透してきているという何よりの証拠」
だと思います。

また「そういうこと言ってくる人は多かれ少なかれ妬みがあるんだと思いますよ」という意見もよく見かけます。

子供を産む選択をし出産、育児に追われ気がついたらもうアラフィフ…
もっと色々自分のしたいことをしておけば良かった…

そう思う女性が同じ世代の子ナシ女性を羨んでつい口にしてしまう気持ちもわからなくはありません。
その人達はそう言っている時「子供のいる人生には別の幸せがある」ということを忘れているのではないでしょうか?

どちらの場合も
「夫婦のどちらもが身体的に妊娠出産が可能か否か」
「お互いの意見が一致しているか」
2つの条件が揃って初めて”選択ができる”のです。

掲示板に相談の書き込みをした人に対しては「的外れな意見」ですが「産みたくても産めない人」は現実には少なくはありません。
それが原因で結婚話すら流れてしまう場合もあります。

《自分の身体の状態を把握していますか?》

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最近は「ブライダルチェック」の認知度も上がっていますが、今は結婚を考えているお相手がいなくても「自分は子供のいる人生を送りたい!」と思っている方は婦人科でまず「自分の身体が妊娠可能かどうか」を調べてみる方が良いでしょう。

ある程度のことなら血液検査でわかります。(血中ホルモンの量だけで判別可能な場合もあります)
更に詳しく知りたければエコー検査で子宮や卵巣の状態を診て貰えます。

生理不順や生理痛が酷い方、PMSに悩まされている方は子宮内膜症の可能性もあるので早めに婦人科で検査をして「いざ妊娠したいとなった時」に備えておくべきですね。(実は20代後半から正常妊娠可能な生殖能力は衰え始めますがその認知度は大変低く11%程度です)

子宮筋腫があった場合でも妊娠出産に影響のない部分であれば問題はないし、影響する可能性がある場合は事前に治療しておくことが出来ます。

《結婚する・しないも”選択の1つ”》

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もし妊娠出産を願う貴女に「この人と一生一緒に居たい!」と思う人がいるとします。
しかしお相手が貴女との子供を作れる身体ではなかった場合、貴女はそれでも彼と結婚しますか?それとも”子供を作れる別の相手”を探しますか?
彼への愛情と子供のいる人生のどちらを選ぶか?ということです。

結婚はしたけれども子供を作らないという選択をした山口さんはこう言っています。

人生において大事なのは、自分のスタイルを見つけることだと思います。結婚も、 〝人それぞれ〞の形があると思う。人を真似する必要はない。私はもちろん、世界で一番幸せだと思って生きてます。すっごく幸せです(笑)!
(FRaU3月号より)

全くその通りだと思います。
何を幸せと感じるかは人によって異なります。

それを押し付けることも押し付けられることもあってはいけないのではないでしょうか?

アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、イタリア人女性にも「出産をしない選択をする女性」が増えているそうです。
原因は国家経済の不安定さから低賃金・雇用の保障のない職業に就いている女性が多い為、パートナーと一緒に暮らし始める時期が遅かったというカップルの増加とのこと。

イタリア人女性の実に25%が「子供を産まずに生殖可能期間(15~49歳)を終えている」というのです。
日本人女性の特殊出生率も「生殖可能期間である女性の晩婚化と減少」により今後低下していくと予想されています。

山口さんと同世代で過去に結婚経験のある小泉今日子さん(50歳)は、2月4日発売の「MEKURU Vol.07」のロングインタビュー内でこう語っています。

会社勤めをしていたら60歳で定年だし、社会の中で何かを残すとしたら、あと10年だと思っていて。そうすると、やっぱりあんまり時間がないから、あとから歩いてくる人たちが歩きやすいような道を整えたいと思いますね
(MEKURU Vol.07より)

「子供を産んで育てることだけが社会への、次世代への責任を果たすことではない。他にも方法はある」
という事を小泉さんの言葉は教えてくれています。

結婚・妊娠・出産にこだわりすぎず、自分のやりたいこと・出来ることを客観的に見極め、早めに行動することが一番大事なことなのかもしれませんね…。

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